届かない痒み止めと親心

若い頃の私は汗っかきだったが、歳を取ってからは肌が乾燥し痒くて堪らない。http://cialacibu2019.com/

体は乾燥しているが、なぜか頭部だけは脂っこい、頭皮はベタベタしており、思春期真っ只中の娘は私のことを避けている。

皮膚が乾燥して痒いと眠れないため、寝る前には病院で処方された痒み止めを塗るのだが、痒いところに手が届かない。

私、「悪いけど、痒み止めを塗ってくれない?」

娘、「・・・」

妻、「・・・」

私、「ねえ、聞いている?痒み止めを塗ってくれない?」

娘、「・・・」

思春期真っ只中の娘は自分の部屋に行ってしまい、頼りになるのは同い年の妻だけ。

私、「痒み止めを塗ってくれない?」

妻とは半年近く会話をしていない、妻が渡してくれたのは長さ30センチほどの定規。

定規の先端に痒み止めを付け、それで背中に塗った。

先生からは「痒み止めを患部に塗り込んで下さい」と言われているのだが、塗り込めるほど力が入らず、結局、定規を使って背中をかく。

妻、「その定規、戻さなくて良いから」

言われなくても分かっている、私が触ったものはバイ菌が感染っていることを。

乾燥しているから肌が痒いわけではないと思う、脂っこい頭皮も痒い。

娘、「ちゃんと洗っている?」

私、「ちゃんと洗っているよ」

娘の「ちゃんと洗っている?」も妻の「その定規、戻さなくて良いから」も私の妄想でしかない、妻と思春期真っ只中の娘とは半年近く会話をしていない。